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公文 公,岩谷 清水
くもん出版
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JUGEMテーマ:育児
「第一章 幼児でも方程式が解けるひみつ」を読みました。この章では、幼児で方程式が解けるようになった達弥くんの例を紹介しながら、公文式算数について説明しています。
幼児が方程式を解く意味があるのか?という質問を私もよく受けます。私も最初はそう思っていました。でも、最近は「幼児だからこそ方程式なんだ」と思うようになってきました。うちの娘はそこまで行きませんでしたが、誰でもそこまでの目標設定を(少なくとも目標設定だけは)した方がいいと思います。
松田さん(達弥くんのお母さん)もそうでしたが、
《以下引用》
「文字や数など、勉強と言われるような分野のことを幼児期からさせることは、無意味であるばかりか害になることが多い。勉強は、自然にできるようになる状態が整う小学校まで待つことが、いちばんよい」
《引用終わり》
という考えは、今でも意外と根強いです。スケートとかゴルフとかピアノとかに関してなら、幼児のうちに始めた方がいいと言われて疑問を持つ人は、真央ちゃんや遼くんのおかげでいなくなったと思うのですが、勉強に関しては意外と、未だに…です。
幼児期にいろんなことをさせた方がいいというのは、大脳生理学の方面からも言われていて、幼児教育の塾が公文式以外にも最近増えてきました。
前述の幼児教育に対する思い込みへの反論の一つとして、記憶力は0歳から6〜8歳までがピークである(本書より)ということ。脳が最も刺激を求めている時期に知的刺激を控えるというのは何とも勿体ないことです。
反論の二つめとして、幼児は暇なのです。遊ぶことくらいしかすることが無いのです。だったら、「遊びとしての学習」をやらせればいいのです。「遊び」と「学習」を区別するのは大人の感覚(思い込み)であって、幼児には(というより本来は)その区別がそもそも有りません。
反論の三つめとして、幼児は繰り返しが大好きです。同じ本、同じアニメ、を何度も繰り返して見ます。そして同じであることを確認して喜んでいるようです。「学習」も繰り返しが大事なのですが、大きくなるにつれて同じことの繰り返しは嫌うようになります。そうならない幼児期に、反復しないと身につかないことは一つでも多くやらせておいた方がいい。
そのやらせておくこととして、公文式の教材が適している点のひとつが、教科書の内容の「すべて」を盛り込んでいないことです。反復が効果的な内容だけを抽出していると言っていいかと思います。
極端な言い方をすれば、やり方だけを幼児のうちに暗記(純粋に暗記ばかりでは無いけれども)させるということです。意味は分からないけど方程式を解くだけならできます、という状態で小学校に進学すれば、授業の時は意味だけを考えていればいいのです。
公文式では、同じプリントを何度も解かせて、莫大な枚数を処理させます。これで身につく作業力が素晴らしい。うちの長女(新小学一年)は、本屋に行くと問題集を買って欲しいと言い、うちに帰るとすぐにやり出します。作業力のおかげで、すぐに一冊終わります。「遊び」の感覚のようです。
このように他社の教材に果敢に挑戦するようになるので、公文式の教材に「すべて」が盛り込まれる必要は無いのです。
むしろ「すべて」が盛り込まれていたら、公文式だけでウンザリするボリュームになって、他の教材にトライする活力は失せるでしょう。
「そんなにしなくていいんじゃない?」と我々に言われながら、得意げに他社の問題集(いずれは小学校で配布されるものなど)に取り組むことで、公文の教材に含まれていない部分が自然と補完されていくようです。
それが公文式のひみつのひとつかな?と最近気づきました。